草刈機の修理&整備
農家なら必ずある、草刈り機の修理や整備方法を紹介します。ポイントさえつかめば、構造が簡単なので、難しくはありません。古い機械でも修理をすれば十分に使えます。また、長く使用できるように整備方法も紹介したいと思います。
草刈り機
ここで紹介する草刈機のメーカーはカーツですが、他のメーカーでも同じような構造です。一般的にどこにでもある、普通の草刈機です。
最近は4サイクルのエンジンを搭載した物もありますが、ここで紹介するのは、、2サイクルエンジンなので、ガソリンと2サイクルオイルを25:1に混合して使用します。
ちなみに、私は少しグレードの良いオイルを使って、40:1位で使用しています。その方がエンジンの内部があまり汚れず、長期間好調を維持できます。しかし、潤滑性能がよくない物を使用すると、最悪はエンジンが焼き付いたりします。
草刈り機の修理編
症状
少し前から、エンジンの力が無くて調子悪かったのですが、ニードル(燃料の流量を調節するところ)をいじって、ダマシだまし使っていました。
最初は燃料が古いからかな?と思っていたのですが、あまりに燃料が濃くなったり、薄くなったりするので、バラしてみる事にしました。
これからDIYで草刈機を修理しようと思っている方には参考になるかもしれません。
修理解説
まず、エアクリーナーのカバーを固定しているネジ(赤丸部分にあるネジ)をプラスドライバーで外します。
そして、エアクリーナーカバーを外すと、エアクリーナーの中にあるスポンジが劣化してバラバラになり、キャブレター(気化器)の入り口に詰まっていました。
これが原因で空気量が極端に少なくなり、燃料過多の状態になり、不調となったようです。
これでは、空燃費を合わせてもエンジンのパワーは出ませんよね。
掃除する為に、キャブレターを固定しているネジも外して、バラシました。
中央部品にメッシュがあったので、そこに詰まったようです。
パーツクリーナーで洗浄しました。
私の使用方法では、ホコリを吸っていないようなので、組み立てる時はスポンジを入れずにそのまま組み立てしました。
ちなみに、吸入抵抗が減って、酸素をよく吸うようになり、パワーが上がりますが、吸気音は大きくなります。しかし、排気音があまりにもうるさすぎるので違いはそこまで感じません。
スポンジが無いので、吸気抵抗がなくなりますので、燃調をとらないとエンジンが焼き付いてしまう可能性があります。
赤丸のニードルを回して燃料の量を調整して下さい。右に回すと燃料の量が減り、左に回すと燃料が増量されます。
ポイント調整はブスブスときれいに回らない位濃い目にしてから、調整ネジを右に回して、きれいに回りだした所にしておけばいいです。慣れると音を聞いただけでわかるようになります。
ちなみに、黄色のネジはアイドリング調整ネジです。右に回すとアイドリングが高くなります。
燃料調整に慣れないうちはプラグで確認しましょう。
スパークプラグのキャップを引き抜いて、スパークプラグを左に回して外します。
調子悪かったのと、スポンジの燃えカスのような物が付着しています。
スパークプラグのガイシの部分がこのような感じになっていたら、大丈夫です。電極などが真っ白になっていたりすると危険信号です。
また、燃料が濃すぎるとススで黒くなっています。
プライミングポンプ修理
長い期間使用していると、左の画像のようにプライミングポンプが破れてしまいます。交換はプラスネジ4本を外せば、分解できます。(ちなみに、画像はリョービの刈払機です)
右が新品部品です。一般的に大小2種類のプライミングポンプがあるみたいです。
色が全く違いますね。燃料に侵されて劣化するのでしょう。硬化して、弾力性が無くなっています。
後は金具へ付け替えして、ネジを締めるだけ!
これだけで新品の草刈り機を買う人もいますので、中古をうまく購入すれば格安で草刈り機を入手できますよ。
ダイヤフラム交換(キャブレター分解)
症状としては、エンジンが吹け上がらない、エンジンのパワーが無い、そして、エンジンのトルクが減った感じになりました。
エンジン音から判断すると、明らかに空燃比が薄く、燃料があまり送られてない感じでした。ニードル調整してもダメだったので、プライミングポンプで燃料を強制的に送ると調子よく回りましたので、キャブレター内のダイヤフラム(右下の部品)と判断して、交換しました。値段は290円でした。
部品は新旧で、ゴム?部分の弾力性が違います。交換後はパワーが大幅アップしてます。定期交換がベストな部品ですね。
草刈り機の整備編
いままで、ノータッチだったギヤ部分を分解しようとしたのですが、スナップリングプライヤーの先が届かず、断念しました。
シールを外して、オープンベアリングの隙間とグリス注入口からパーツクリーナーで古いグリスを洗浄してから、高級グリースを惜しげもなく注入しました。
10分程作業すると、音がかなり静かになりました。
ギヤ部へのグリス注入(メンテナンス)
ギヤ部は定期的にグリスを入れないと異音の原因となってしまいます。
まず、赤丸のプラスねじをドライバーで外します。
今回はドライバーでは外れそうになかったので、さっさと諦めてハンマーでショックを与えました。しかし、外れないので、インパクトドライバーで外しました。
ポイント無理に挑戦しないで、違う対処法を実行しましょう。
グリース注入口が開いたら、グリースを注入します。
私は高級なグリース(400gカートリッジで約4000円)を使用しています。いろいろなグリースを購入してテストして、これを使っています。たかがグリース、されどグリースで、驚くほど性能が違うんです。そんなに使う物では無いので、私は使ってます。コダワリかな。
これで、グリス注入完了です。あとはプラスねじを締めたら終わりです。
定期的にメンテナンスしないと、ガーガー、ゴーゴー、ゴロゴロと異音が鳴りますよ。
便利な商品
安定板のジズライザーを付けてみました。値段はホームセンターで980円でした。
使用してみると、少し高めに切れますが、凹凸があっても刃を擦る事がかなり少なくなります。また、刈り取りの高さ調整は慣れたら刃の傾きで十分調整できます。
プラスチック製で軽いので、左右に振り回しても疲れにくくとてもいいです。おすすめできる商品です。